eighth note
- Toshiya Kimura
- 2019年9月12日
- 読了時間: 3分

新しく製作した、8号帆布を使用したトートバッグとショルダーバッグのご紹介です。
帆布はバッグによく用いられる素材ですよね、袋物のど定番。
私にとって慣れ親しんだ素材でもあります。
kirahvi9の商品にも帆布のバッグを加えたいと思ったのが製作のきっかけです。
でも定番の生地で使いやすい形となると、だいたい似た感じになってしまうので悩みどころ。
まず素材、帆布はいろんな所が作ってますので結構種類があります。
色も多いし、キバタ、湯通しやバイオウォッシュ、パラフィン加工、撥水加工、綿以外に麻やアクリルも。
悩んだ末に、キバタは一番「帆布らしい」ので採用。
キバタは織ったままの生地で染め等の加工をしていないものです。
なので洗うと縮みます。今度検証してみます。
色物はくったりとした素材感とくすんだ色合いが良かったので洗い加工のものを採用しました。

工場までは分かりませんが、最終的に選んだ3つは生地幅や耳の有り無しなど細かく言えば全て異なるものになりました。
形についても少し。
丈夫で厚みのある生地なので、モノをどっさり入れても安心感のある一枚仕立てで作りました。
前面から背面までぐるりと一枚でハギがありません。
さらに底面を二重にして、強度を高めました。
普通にパターンを四角くとって、マチもしっかりとって、と作ろうとしていたのですが
ここでひとつ気になっていた点を思い出す。
一枚仕立てでバッグを作ると、マチを取った分、底が狭くなるんです。
どういうことか、下のイラストをご覧ください。

通常のバッグが「A」。eighth note が「B」です。
「A」はマチの分、底の幅が小さくなっています。
両側、「A」のイラストの矢印部分がマチに取られてしまいます。
それに比べて「B」は底の幅が確保されているのがわかると思います。
「A」の不具合の例としては、A4のファイルやノートパソコンが、口は横にして入るけど底が狭くて斜めになる感じ。
今回ちょっとそれを改善して、十分なマチ幅を取りつつ
口と底が同じ幅になるようにパターンを再構築しました。
トートもショルダーも同じ。
これ、eighth noteのポイントです。
また、8号帆布の特徴は厚みがあって、柔らかいことです。
キバタもそうですが、洗いがかけられると柔らかさは更に顕著になります。
その特徴を活かして持ち手や肩ひもは生地を余らせることでくしゃっとした質感に。
さらに袋口にステッチを入れないことで柔らかい印象にしました。



つらつらと書いてきましたが、つまりは普通の帆布のバッグとは少し違うということが
言いたかったのです。少しこだわりのカタチなんです。
細かいことなので伝えないと伝わらない。
知って使っていただけたら一層嬉しいです。
eighth note (エイスノート)は8分音符の意。
1号帆布を全音符としたら、8号帆布は8分音符の立ち位置かなぁと思ったのです。
実際は縦糸や横糸、密度や重さ、すべて全然8分の1では無いんですけど。

8分音符。
よく見ると旗の部分が、細くなっていく持ち手のカタチ。